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本棚って壁紙だ!

主に本の紹介、読書感想文、時には漫画、映画などエンタメ全般について綴る

「生きづらい日本人」を捨てる 下川祐治

下川祐治

下川祐治
ISBN9784334037222
光文社新書

 何となく、もしくは様々な理由から日本を逃れ、東南アジアや沖縄で暮らす人達の暮らしや心情を描いています。

 日本人というとアジアではお金持ちと見られ、そういったお金で現地の女性と繋がる様なイメージもありますが、最近では日本の労働環境の悪さから日本を諦めて現地で現地の人と同じ待遇で働く日本人も増えている様です。タイ・バンコクでのコールセンターの話は正に後者の人達の話ですね。他にはベトナムホーチミンシティで日本で精神疾患になってしまった男性が心の傷を癒していく話、もちろん女性の話もあり、タイのチェンマイでオーガニック綿から布を織る事、それをライフワークにした女性も出てきました。

 最後にチェンマイでホームレスになってしまった男性の手記が登場するのですが、これがやけに胸に浸みました。この人は自営などが上手くいかず家族にも告げずに失踪してしまうのですが、離婚をし子供とも離れ、現在仕事もしていない自分と人生に対するやけくそ具合が似ているのではないかと思ったからです。

 著者の下川祐治という方は、日本が息苦しくて東南アジアに脱出した人や外こもりをしている人についてなどの著作があります。(「日本を降りる若者たち」「『生き場』を探す日本人」など) まあ仕事もしていて家庭もあるような人生を順調に感じている人はこういった本は読まないでしょうね。何か心に引っかかりがある人が読むのだと思います。

 

「生きづらい日本人」を捨てる (光文社新書)

「生きづらい日本人」を捨てる (光文社新書)

 

 
 日本にいるといい大学を出て良い会社に入ることが唯一の道みたいに生き方は一つだと思いがちですが、下川さんの本を何冊か読むと、東南アジアや沖縄で(自分も沖縄は日本とは空気感が多少違う気がしますね)気を張らずに肩の力を抜いて生きていくこと、これからの私達にはそういう感覚が必要なのかなと感じずにはいられません。