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われはロボット(ロボットシリーズ、ファウンデーションシリーズ) アイザック・アシモフ

アイザック・アシモフ
ISBN9784150114855
ハヤカワ文庫

 私はアシモフのこのシリーズをいつ読んだのか定かではありませんが、大分昔に夢中になって読んだ記憶があります。文庫本は全部で二十数冊になりますが「われはロボット」で基礎を仕入れ、「鋼鉄都市」と続けて読んでいくとシリーズ最後まで読みたくなるSFの名作です。

 「われはロボット」はアシモフのロボットシリーズの核となるロボット三原則が基になる最初の作品です。ロボット三原則はSF好きな方なら誰もが知っている、その後のロボット関連作品に影響を与えた法則で以下の様になります。

第一条
 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。


第二条
 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。


第三条
 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。

 
 後にアシモフは、この三原則に先立つものとして第零法則を提示しました。これは例えば今までの三原則では、人類全体に危害を加えようと企む人間がいた場合に対処できないという矛盾があり、それを補っています。

第零条
 ロボットは人類に危害を加えてはならない。またその危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。

 
 その結果として、新しい第一条には「ただし、第零条に反する場合はこの限りではない。」が追加されました。

 「われはロボット」はロボットが三原則により矛盾を抱え異常な行動をとったり、上手く動作出来なかったりとロボットの頭脳に組み込まれた三原則が実は絶対ではなく、それによって起こる出来事を描く短編集です。

 

 
 続く一連の作品ですが、ニューヨーク市警の刑事イライジャ・ベイリが、パートナーのロボット、R.ダニール・オリヴォーと難事件を解決して行くシリーズです。三原則に絡めてミステリー要素も含んだロボットシリーズで、「ロボットと帝国」でファウンデーションシリーズへと繋がって行きます。(R.ダニール・オリヴォーは続くファウンデーションシリーズでも関わってくる重要人物です)

 「鋼鉄都市」
 「はだかの太陽」
 「夜明けのロボット」
 「ロボットと帝国」

 

鋼鉄都市 (ハヤカワ文庫 SF 336)

鋼鉄都市 (ハヤカワ文庫 SF 336)

 

 
 ファウンデーションシリーズは、遙か未来に人類が築き上げ長きに渡って繁栄する銀河帝国の凋落を心理歴史学という学問で予想したハリ・セルダンの計画から始まる長大なシリーズです。銀河帝国の崩壊後に暗黒時代が長く続くと予想したハリ・セルダンは低迷する時代を可能な限り短くするべく「ファウンデーション」を設立しセルダン・プランを開始します。

 「ファウンデーション」はセルダン・プランにより危機を回避して行くのですが、もうこの時代には人類が銀河全体に広がって数万年過ぎているので、人類が発生したのが地球だという事すら分からなくなっています。時間と空間が壮大で色々な面白さがある作品です。シリーズは長いですが是非読まれてみては如何でしょうか。

 「ファウンデーション銀河帝国興亡史〈1〉
 「ファウンデーション対帝国」銀河帝国興亡史〈2〉
 「第二ファウンデーション銀河帝国興亡史〈3〉
 「ファウンデーションの彼方へ」銀河帝国興亡史〈4〉
 「ファウンデーションと地球」銀河帝国興亡史〈5〉
 「ファウンデーションへの序曲」銀河帝国興亡史〈6〉
 「ファウンデーションの誕生」銀河帝国興亡史〈7〉

 

ファウンデーション ―銀河帝国興亡史〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)

ファウンデーション ―銀河帝国興亡史〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)