社会人のためのやりなおし経済学 木暮太一
木暮太一
ISBN9784532197254
日本経済新聞出版社
経済学の本を読んでも全く理解できません。数学を使うから自分には難しすぎる。
そういうイメージから離れ、先ず「経済学の目的」から数学やグラフなどを使わずに言葉で丁寧に解説しようと試みる本です。
・そもそも経済学とは何か
・何をするための理論で、どんな考え方をするのか
・経済学的な思考は、自分の生活やビジネスの中で、いつどのように活用できるのか
こういった事を読者が自分の言葉で説明できるようにしたいというのが本書における筆者の目的です。
根本として経済学とは、世の中にある資源(石油やガスなどだけでなく、商品や労働力、個人の時間など全てのリソースのこと)の分け方について分析をする科学だということが書かれています。
いわゆる「資源配分」ということですが、取引に関するものを全て資源と考え、効率的に分配するためにはどうすれば良いか、そもそも効率的な分け方とはどんな状態なのか、ビジネスに限らず、我々が休暇の予定として勉強するのか沖縄に行くのか等、全て含めて経済学で考えるテーマだと説明しています。
我々が持っているお金や時間という「資源」を何に振り分けどう使えばベストか、それを厳密に分析していくことで理論的に考え別の見方も出来るようになると説いています。
また経済学の考え方が身につく14のルールを挙げていますが、幾つか紹介してみます。経済学の原則とも言える前提となるルールです。
・全ての資源は有限である-希少性
・資源は有限だから、片方しか選べない-トレードオフ
・選ばなかった選択肢は「コスト」と考える-機会費用
・過ぎてしまったものは無視する-サンクコスト
・メリットが変われば行動が変わり結果が変わる-インセンティブ
・みんなが市場で自由に決めるとベストな結果が生まれる-「神の見えざる手」
・市場経済も時にはうまくいかないこともある-「市場の失敗」
などなどです。ちょっと面白いですね。
大学で経済学を学んだ人は別として、理系の学部の人、経済学は全く無縁だという人には、他にも大ざっぱな三つの市場「財市場」「労働市場」「貨幣市場」で企業や個人が相互に依存していること、大学で学ぶミクロ・マクロ経済学について、平易な文章で記述されているので読みやすいと思います。
簡単に分かりやすくということを主な目的として書かれているようなので、私の様な経済素人がとっかかりに読むのに良い本なのではないでしょうか。経済って...と身構えず、気軽に読める一冊です。
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