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主に本の紹介、読書感想文、時には漫画、映画などエンタメ全般について綴る

私の財産告白 本多静六

本多静六
ISBN9784408395821
実業之日本社

貧乏な暮らしは退治しなければならない。「貧すれば鈍する」というし、経済的な自由を得てこそ、考え方も自由になれます。学者であった本多静六という人がどの様に財を成したかを語った本です。

先ず古い文章ですがとても読みやすいと感じました。

ドイツに留学した際に師に「お前は勉強するが。今の様に貧乏ではいけない。財産を作ってこそ自由に出来るのだ。」と教えられ、給料の4分の1を貯金することから始めます。それを元に投資し、財産を築きます。しかし財産の使い方も難しいと説き、自分に使うのではなく世のためにという事で、ほとんどの私財を寄付されたとの事です。

投資とは別に、一日一ページをノルマとし出版できるレベルの価値がある原稿を書いていたというのも凄いです。何か用事があって書けない日があれば、別の日に書いて帳尻を合わせていたといいます。

また、
友人にお金は貸してはいけない。友人とお金の両方を失う。
子供に財産は残さない。かえって子供のためにならない。
借金の連帯保証人の印鑑を押してはならない。
など、大人になってみれば至極当たり前の事が書かれているのですが、凡人には4分の1貯金など、なかなか実行できる事ではありません。

 

私の財産告白 (実業之日本社文庫)
 

 
また解説にこれは「一般解」だとあったのが印象的でした。数々の成功本が出版されていますが、それはその人だから為し得た「特殊解」であり他の人に当てはまるものではありません。しかしこの本は「一般解」として普通の人々が実践可能なものであると。

戦争を経験しても方針は揺らがず、一代で財を築きそれを人のために寄付し、晩年はまた少ない財産で過ごした。中学生、高校生くらいの年代にこそ読んでもらいたい良い本だと思いました。

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